2006年2月21日(火) 毎日新聞
【ギンサウゴン村(比レイテ島南部)中尾卓司】フィリピン中部レイテ島の大規模地滑りで、行方不明者の捜索・救出活動に台湾、マレーシア、米国の救援部隊が加わっている。台湾とマレーシアの救援部隊が探査装置で生存者の手がかりを探り、米海兵隊が大型重機で現場の進入路確保を担う。21日も協力して、児童が閉じ込められているとみられる小学校校舎の捜索活動に取り組んだ。
台湾の非政府組織(NGO)「台湾国際レスキュー隊」は、音波探知と温度感知の二つの最新式探査装置を現場に持ち込み、現地入りした19日以降、フル稼働を続けている。真っ赤な制服の33人の台湾隊は現場でもひときわ目立ち、ロセット・レリアス南レイテ州知事も「期待している」と語る。
台湾隊は、04年12月のインド洋大津波で被害を受けたインドネシアでも活躍し、現場経験が豊富だ。呂正宗隊長は「水と土砂、石、岩が混じり、すぐに腰まで沈んでしまう厳しい現場だが、人命救助のため、自分たちしかできない役割を果たしたい」と表情を引き締めた。
マレーシア隊は45人。特別訓練を受けたレスキュー隊や医師らで構成され、生存者の発見を目指す。レスキュー隊のヤコブ・ユソフ隊長は「食糧と水なしに、人間は6日間生きられるという。望みはある。以前に、日本のJICA(国際協力機構)で受けた災害救助訓練が現場で大いに役立っている」と言う。
一方、米海兵隊は、ヘリコプターで救助要員の兵士や機材を搬入。土砂を取り除く作業に不可欠な進入路の確保などに力を発揮している。
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